NO17 「記念日をさがせ」
2003.9掲載予定
 キャンプ場管理棟には、キャンプ関連の雑誌、グッズのパンフレット等々を自由にご覧頂いておりますが、
定期的に雑誌等を整理し、古い物は廃棄しなければいけないにも拘わらず、棚の奥へ奥へと置き場所もないく
らいで、決して大きな声で云う事ではない有様です。
 しかし、このような状況も、偶には幸いするようです。例えば、ある雑誌の創刊号が棚においてあったのを
見たお客様が「これ10年前ぐらいですよね。ぜひ読んで見たかったので貸して下さい。」の依頼に「差し上
げますよ、どうせ廃棄するだけですから・・・」 こんな事が年間に数件あり、結構大感謝されるケースがほ
とんどです。
 今年の春先にお越しになった4人家族の方、夜お風呂に入られてから管理棟で雑談をしている時「テントの
中で読むので適当に本借ります。」と奥さんが本棚を見回していると「娘の誕生した時の月刊誌があった」と
の事なので「記念にどうぞ」とお話しした所「本当ですか?」「いつも差し上げておりますから・・・」「そ
れじゃ息子の誕生月もよろしいですか?」の言葉から、私も入って5人で棚の奥から色々な雑誌を引っ張り出
し、ようやく見付け出した時に「ついでに○○年○○月もよろしいですか?私達の結婚月なのですが・・・」
と言う事なので、また本の山と格闘したものの結局見つからず、結婚した年のキャンプガイドを差し上げまし
た。
 「私が普段から号毎に整理して置いておけば、すぐに差し上げる事が出来ましたのに・・・」とお話しした
所「苦労して探す事に価値があるし、第一お風呂から上がってしばらくお話ししていたため、体が冷えて来て
いたけど、必死で探したお陰で体がほかほかになりました」そんな言葉に、乱雑にしていたからこそ、お客さ
んの感動を数倍高める事が出来たのではないかと勝手な解釈をし、記念日をさがせ奮闘記を終わります。